きのこと、牛と、スピード違反(その2) [放射能]



 前回、セシウム汚染牛肉について書きましたが、その後も全く収束する気配がありません。
 東北の牛肉が これほど広い地域に流通していたのには 驚かされました。
 現代社会の物流力の凄さでしょうか。

 その汚染牛肉ですが 食べているとどのくらいの被曝になるのでしょうか。
 牛肉が出荷され始めたのは5月からと報道されていますが、念のため4月からと考えておきましょう。
 回収などの対策が取られるとしても 7月中は 市中在庫やなんだかんだで 疑い牛肉が売られると仮定します。

 稲ワラを食べた牛のセシウム量は 基準値以下からキロ3000ベクレルまでの範囲のようです。
 保守的に 最高のキロ3000ベクレルで計算を進めます。

 で、一番問題になるのは どれだけの頻度で国産牛を食べているかです。
 ゆでがえるは 牛肉自由化前の世代なので、牛肉は国産・外国産を問わず ほとんど食べません。
 月に一回くらい 自宅で焼肉をしますが、羊とブタばかり。
 手作りハンバーグは牛豚合挽きのひき肉を使いますけど、それ以外は豚ひき肉です。
 独身時代はお付き合いで焼肉屋にも行きましたし、ユッケもガンガン食べてたんですけどね。

 我が家の例は極端でしょうから、とりあえず 毎週一回 300gの国産牛肉を食べるものとしておきます。
 すると、4月から7月末で食べる牛肉の量は「18週X300g」で 合計5.4kg
 口に入るセシウムは16200ベクレルになります。

 食品による内部被曝のエントリーで試算したように、セシウムには とりあえず 一定の割合でストロンチウムがついてくると考えておきましょう。
 暫定基準値の割合で計算すると セシウム1ベクレルあたりの実効預託線量は1.868X10-5mSv

 全部を掛け合わせると 「16200X1.868X10^-5」で、約303マイクロシーベルトの被曝になります。

 週一回和牛を食べて それが最悪の汚染状態が続くちょっと厳しい前提ですから、今後でしっかりとした対策が取られれば 内部被曝量は極端に多くならないでしょう。

 でも・・・、心配になるのは 牛肉だけじゃありませんよね。
 牛つながりで 牛乳と乳製品は不安になりますし、肉つながりだと 豚肉も疑わしく感じられてしまいます。
 前回 書いたとおり 今の検査体制では 暫定基準を越えた食品を完全に食い止めることは出来ません。
 検査体制を強化していくことは 最重要課題なんですが、多くの検査資源を牛肉に対してのみ費消するのが正しいのかは 冷静な検討が必要に思います。

 生産段階で放射能の取り込みを減らす努力を徹底する。
 食品検査の体制を強化して 汚染食品が市中に出る確率を減らす。
 汚染品の回収制度を確立し 汚染食品が消費者に渡る確率を減らす。


 それでも 出来るのは確率の世界の話だけ。
 規制越え食品が売られることはゼロにはならないのですから、最後に安全を担保するのは暫定基準値の余裕度です。
 現在のキロ500ベクレルという暫定基準値の大きさの是非は とりあえず考えないでおきますが、ココから規制を緩めていくようだと 今日のような事態になった時の余裕がなくなってしまいそう。
 正攻法の対策ではなく 基準値を蔑ろにして 黒を白にする「解決法」が取られないことを願うばかりです。

 牛肉の陰に隠れて、しいたけが基準値越えしていたり、先週にはキロ490ベクレルという作物があったりしているのですが、それらがココまでの騒動にならないのは 誰かが基準値の「安全度」に頼り切っているのかもしれませんねえ。



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